白帝通信
月に1回、情報誌の「白帝通信」を発行しています。
その中のコラムを抜粋してご紹介します。
ー2026年 7月号ー
レベルアップの気概
6~7月は今のところ雨の影響もあって、そこまでひどい暑さではない気がしますね。連日聞こえてくるのはヨーロッパの酷暑の知らせ…イギリス・フランス・ドイツ・スペイン…と40℃を超えている国がいくつもあります。英・仏・独は北海道よりずっと北の方にあるのに…。日本の暑さはまだマシなんでしょうか…
さて、中高生のみなさんは期末テストお疲れさまでした。結果が手元に返ってきていると思いますが、それを見ながらテスト期間中の取り組みをちょっと思い出して下さい。
テスト対策の取り組みを見ていると 「お、この子は今回調子いいな。点数も順位も上がりそうだな」という子がいます。見ているポイントは大きく2つ。1つは単純で 「時間を十分にとって学習量を確保できているか」という点。定期テストの勉強は覚えることが大半です。覚えるためには単純作業と同じで、ある程度(必要な時間)があります。成績上位の人はスイスイ勉強して点をとっているように見えますが、実はしっかり時間をかけて暗記をしています。
暗記をするのは結構疲れるので (1時間ひたすら暗記!)というより (10~15分の暗記を何度かに分けて)の方が、効果が高いです。(時間はかけているつもりなんですが…)という人は、覚えたことが「本当に頭に入っているのか」をしつこく確認してください。
もう1つのポイントは 「人から言われてやるのではなく、自分から必要なことに取り組んでいるか」です。「~しなさい」と言われて勉強するのと、自分で気づいて必要な勉強や暗記をするというのは次元が違います。はたから見ても同じように見えますが、効果はまったく変わってきます。
先生が中学生のとき、友達に 「テスト前の勉強って何してる?」と聞かれました。答えたのは 「理科とか社会のワークの答えって暗記してる?どの問題を見ても、一瞬で答えが言えるくらい暗記すれば60~70点くらいはいくと思うよ」 で、テスト後に再び聞かれたのが 「理科と社会は60とれたわ。今度、数学と英語はどうすればいい?」 先生の仕事についてから気づいたことですが、こういう気持ちの変化があれば点数を上げるのは簡単です。
「ワークの答えを暗記する」というのは、テスト勉強としては基本中の基本です。それを(自分にとって必要だ。やってみよう!)という気持ちで取り組んだとき、はじめて点数につながります。とても単純なことですが、勉強でも運動でも趣味でも(レベルアップしようとしているか?)は、その後の伸び方にとても強く影響します。少しずつでも上達できると、だんだん楽しくなってきますよ。
ー2026年 5月号ー
苦労を分割
3月は「雨が少ない…ダムが危ない!」という話が聞こえていましたが、4~5月にはかなり雨が降りました。通学を考えると、なかなか憂鬱ですね…。この地域は(晴れているのが普通)ですが、たまに雨が降ると晴天のありがたさも分かるかも。
さて、5~6月にかけて定期テストが始まります。中学1年生にとっては初めての定期テストですから、どのような準備が必要か…を確認していきましょう。すでにテストに慣れてきている上の学年でも、人によって準備の仕方に差がありますから、もう一度やることと心構えを確認してください。
定期テストの準備は一言で言うと「覚えること」ばかりです。計算のルール・英語の文法・理科社会の用語・国語の漢字…どれも知らないものは書くことができません。具体的には学校で配られた問題集で、どの問題を見てもパッと答えが言えるように暗記をする必要があります。
理科・社会についてはパッと答えが言えるようになれば、60~70点くらいはとれます。そこに届いていない人は(ちゃんと答えが言えるようになっているか?)の確認が必要です。実はどの科目でもここが差が出るところで (単純に覚えていないので点が取れない)という人が結構います。
「覚えた!」の基準は (何も見なくてもすべての答えが言える・計算が正解できる・正しく書ける…)という感じで (どのような状態になっていれば自分は覚えたのか)と、自分を外から観察するような感覚が必要です。客観的に とか メタ視点 というやつですね。この「自分を外から観察する」ができてくると、勉強でもそれ以外でもレベルアップしやすくなります。
「覚えること」については、残念ながら効率の良い方法やコツはありません。強いて言えば、回数をこなすこと・時間をかけること…と、そのまんまの答えになります。単純作業や筋トレのように (時間がかかるものだ)と割り切ってコツコツやるしかないです。覚えるスピードに個人差はありますが、それぞれのペースで進んでいけばよいと思います。一歩ずつでも歩いていれば、必ず先に進めます。
中学生は、毎回の塾の授業で確認テストを行っていますね。1回の量は少なくて15分も時間をとれば、ほぼ覚えきれるはず。それを積み重ねて貯金をつくっておくと、学校のテスト週間の手間を分散させることができます。面倒なことや苦労は、小さく分割してクリアしていくと、それほど大変と感じずに終えられるもの。今の小さながんばりが、将来の大きな貯金になっていきます。「少しずつがんばる習慣」が身につけられるとよいですね。ー2026年 1月号ー
「勉強」って何でしょう?
新年明けましておめでとうございます。昨年も、生徒・保護者の皆さまにご支持とご支援をいただきまして、無事に新しい年を迎えることができました。誠にありがとうございます。引き続き本年も宜しくお願い致します。
さて、新年最初のお話は 「勉強の価値」について。昔は 「どうして勉強をしなくてはいけないの?」は、割と定番な質問だったと思いますが、最近はあまり聞かなくなったような…。それはさておき、勉強の価値とはどのあたりにあるのでしょう。
勉強というと学校の授業やテストを受けて、宿題などカリカリ解いていく…といったイメージが強いと思います。問題を解く=勉強と思いがちですが、これはまだ本当の勉強ではありません。(勉強をするための方法や基礎知識を学んでいる)という段階です。
では、「本当の勉強」とは、どういうことか。それは 「自分でやりたいことを見つけたときに、それを実現するための方法を考え、実現に近づけていくこと」 が本当の勉強です。自分でやりたいこととは、例えば 「今より一段階難しい仕事をするために資格が必要である。どんな試験があって、実務条件があって、それらをどのようにクリアしていくのか…」。こういうことを考えて実行する過程全部が勉強です。
仕事以外にも 「この会社に就職するには」「家を建てるには」といった大きなものから、ジョギングを続けて走れる距離を伸ばしていく、料理のレシピを調べてちょっと違う料理をつくってみる、目標に見合う腕を目指してちょっといい道具を買う…といった小さなものまで、純粋に自分から(やってみたい!できるといいな!)と思いレベルアップを目指す行為は、すべて「勉強」と言えます。
中学高校での定期テストでは 「授業を受けて学習して、示された範囲の中で出題される問題に答える。そのために、何をすればよいか考えて準備をしていく」 この過程がとても重要です。単純に点数をとるだけではなく、そのための準備が上手にできるか。学校での勉強は、将来「本当の勉強」ができるようになるための訓練でもあります。
そんな風に、自分のレベルアップをしていけると、変化や発見に富んだ豊かな人生になっていくのでは、と先生は思っています。毎日、同じことばかりを繰り返していると忘れてしまいますが、もともと、新しいことを見つけたり、自分がレベルアップすることは単純に楽しい!はずです。
豊かな人生といってもいろいろあります。人それぞれ、好きなことをすればいいと思います。一例としては 「うれしいこともつらいこともある。楽しいことも悲しいこともある。 過去には学びがあって未来には希望がある。変化が、起伏が、発見が、驚きがたくさんある。 そんなワクワクする毎日が続いていく」 こんなイメージです。 勉強をするとワクワクも見つけやすくなるかも…今年も、たくさんのワクワクが見つかるとよいですね。
ー2025年 10月号ー
国語力とはなんぞや?
9月末から10月にかけて一気に涼しくなって秋らしい天気が続いています。その季節「らしい」天気なんて久しぶりな気がしますね。まだ、夏日も出てきそうですが、30℃なんて涼しいものだ!
英語・算数と続いてきたので、今月は国語。「英語」と対比すると「日本語」という科目名にしてもよさそうですが、どうして国語なんでしょう。そこにはいくつか理由があります。
理由の一つは、国語の授業では言語としての日本語の勉強よりも他の力をつけることが目的になっているからです。動詞・名詞・助詞…とか文法の勉強もありますが割合的には少なくて、それよりも読解力・表現力・語彙力…といった文章や言葉を理解して使いこなす力の方に重点が置かれています。
大きく「読解力」と言われる力は ・文章の意味を正しく理解して ・問われた問題のポイントに合わせて ・過不足なく答えを出す といった力です。もう少し発展すると ・背景にある理屈を考える ・情報を分析、評価する ・自分なりに解釈、要約する ・自分の考えを述べる…と続いていきます。
いずれも、他の科目のテストや問題を解くための基本ルールになっています。国語ができないと他の科目もできない…というのはあながち間違いではありません。また、日常のコミュニケーションも文章を理解することも「正しく言葉を理解する」ことが基本ですから、国語力の延長にある、と言えるかもしれません。
思考の多くは言語によって行われます。そのため、考えるためのツールとしては高性能な言語力の方が、いろいろなものを作ったり創ったりできます。言語を自在に使うことができれば、文章の内容や相手の話を理解することはもちろん、自分の考えをしっかりまとめて保管しておくこともできます。更に言葉にすることの強みは、人に伝えることが簡単になります。
もともと言語は他者への伝達のために発達したものですから、自分の考えを表現したり誰かに伝えることが本来の目的だったはず。個人的には「炎上しないSNS教室!」とかが、本来の国語力にそっているのかもと思ったりもして…
このように「国語力」とは1つの科目を越えた様々な力を含んでいて、おおげさに言うと自己形成の基盤にもなる重要な力だと思います。豊かな国語力は豊かな思考につながりますし、豊かな思考は豊かな人生につながるかもしれませんね。ー2025年 6月号ー
やる気スイッチって?
5月は30℃を超える夏日もありましたが、ここのところは平年並みの気温が続いています。ロードバイクに乗っていても爽やかな日が多いですね。梅雨も近づいていますが、程ほどでお願いしたいです。
さて、6月は中学でも高校でも定期テストが集中します。「今回のテストこそ早めに準備しよう!」という決意の人 「進路につながるテストだからがんばらなくては…」という受験生 「定期テストってどんなの?」初めてで勝手が分からない1年生。状況は様々ですが、テスト勉強の原動力はなんといっても「やる気」につきます。今月はそのやる気についてのお話。
「やる気」にはざっくり2種類あります。1つは「内発的動機付け」と言われるもの。漢字を見るとなんとなくわかるでしょうか。これは、自分の内面から生まれる動機で、自分から興味・関心を持って自身の成長などを楽しむことで生まれる動機です。部活以外でも走り込みをしたり素振りを毎日続けたり、推しの作品やイベントを調べたり…と、楽しいから特にがんばらなくても続けられる状態です。
もう1つは「外発的動機付け」。外から影響を受けるもので、評価・報酬・罰・人からの期待…などを考えつつ行動を起こすことです。テスト勉強に合わせて言い換えると、通知表・お小遣い・ゲーム禁止・「あなたはやればできるのよ!」といった感じ。
勉強では先の2つのうち「内発的動機付け」ができると圧倒的に強いです。勉強すること自体が自分のプラスになることが分かって、強制されなくてもノルマを与えられなくても、自分で必要なことを考えて実行していけます。「勉強しなさいよ」と言われたことがない人は、その勉強の仕方になっているのかもしれません。
先生としては、この「がんばることで将来の自分にプラスになる」という感覚がとても大事だと思っています。そのことを知っている人は「~しなさいよ」と言われなくても自分から行動します。小中高での勉強の目的の1つで、かつとても重要なのが、このことを体験して知ることだと思っています。
「やる気スイッチ」というのは、内発的動機付けのスイッチです。ですから、残念ながら他人が押すことはできないんです…せいぜい (楽しいよ~素晴らしいんだよ~)と演出して、それがスイッチオン!のきっかけになるのを期待するくらいしかできません。でも、何事も「知ること・認識すること」から始まります。こういう文章でもきっかけになりますように…と淡い期待を込めて書くわけですね。