白帝通信

月に1回、情報誌の「白帝通信」を発行しています。

その中のコラムを抜粋してご紹介します。

ー2024年 4月号ー

 レベルアップの楽しさ

今年は桜の開花が遅れているようです。暖冬だから早くなりそうなものですが、3月は冷え込んだ日があって積雪もあって、その影響のようですね。コロナ自粛も過去のこと…今年はしっかり堪能できそうです。

3~4月は体験学習から入会してもらった人が多くて、何人かは 「塾は楽しい!」という感想を持ってもらえたようです。親御さんから見ると 「勉強が楽しいなんて…ホントに⁉」と驚かれることが多いのですが、実は結構あることなんです。

体験学習の間には、できるだけ (ちょっと先に習うこと)や(今までできなかったこと)などを教えて 「新しくできるようになったこと」を身につけてもらうようにしています。勉強は日々繰り返しているので忘れがちですが、新たに何かを身につけること・レベルアップすることは、もともと楽しい!のです。自転車に乗れるようになったとき、クロールで25m泳げたとき…やっぱり楽しかったはずです。

そういうわけで、比較的学年の小さい子の方が 「楽しい!」という感想が多い気がします。学年が進んでくると、単純に楽しい!とはなりにくいのですが、今度は 「こういうプロセスを経て、こういう勉強の仕方をするとレベルアップにつながるよ」ということを教えます。具体的な知識でなくても、正しい勉強法や、自分の現状がどうなっているのか…を知ることもレベルアップの予感につながり、楽しく感じるようです。

「勉強の仕方」というと、問題集を暗記する…自力で正解できるまで繰り返す…忘れるころにもう1回暗記をする…などなど具体的な方法を想像すると思います。でも 「自分の力で正解できるものを増やす」ことができれば、実は方法は何でもよいです。反対に言うと、勉強の目的をつかんでいないと何をやっても効果はうすいですね。先生が教えることは、現状に対してもっとも効果が高いと思うことを教えています。

そういう 「できることを増やす勉強」の習慣は学力のレベルに関係なく、できている人はできています。工業高校に進学した子でしたが 「塾のおかげで勉強の仕方が分かりました」と言ってもらえたときは非常にうれしかったです。高校でもいろいろ資格をとりまくってました。そういう勉強の仕方は、考え方・習慣として一生の財産になります。英単語や数学の公式が将来役に立つかは知りません(問題発言?)。でも、レベルアップする方法とその楽しさは、いくらでもどんなことにも応用がききます。

小中高校生の間はどうしても勉強しなくてはなりません…でも、どうせやるならレベルアップを意識して、できることを増やしていってくださいね。できることが増えていくと人生も豊かになるかも…今年度も皆さんの成長を期待します。



ー2023年 12月号ー

 どっちもありだと思います

今年も残すところあと1か月。不思議と「12月」と聞くとソワソワ忙しい感じがしますね。受験シーズンの開幕でもあるので、先生も気合を入れています。受験生の子は、いつも以上に体調管理に気をつけて下さいね。

さて、今月は多様性のお話。突然ですが質問です。「このケーキはとても甘い。だから○○だ!」さて、○○に当てはまるものは何でしょう。好みによるので 「好き!」という人も「嫌い…」という人もいるでしょう。考えてほしいのは(ケーキの味は同じ。食べる状況も同じ。でも、「好き」「嫌い」で180°反対の答えになっている)という点です。

自分が「好き」だと思うと、つい(他の人も同じだろう)と考えてしまうのですが 「嫌い」と思った人も同じように考えているかもしれません。自分中心の考え方は主観、他人の立場になって考えることは客観といいますが、客観は人間の能力の中でもかなり高度なものです。

他の人の考え方も、自分が選んだものと同じようにとらえられると(そういう見方もあるのか)と、考え方の幅が広がります。(2つの考えのうち、どちらか片方しか認めない)というのは100%のうちの50%で考えが止まっているのかもしれません。1つのものを選ぶということは、他の選択肢をすべて選ばないということですが、選ばなかった方の考え方をよく理解しておくと、自分の選択の意味がよりはっきりすると思います。

現在は、あらゆるものの選択肢が増えたので、違う考え方や価値観も認められやすくなっていると思います。選択肢が少ないと「多数派」がはっきりして「少数派」は肩身の狭い思いをします。でも、今や 「数えきれない少数派」が多数派になっているので「僕の好きなものはこれです」と、人を気にすることなく言えるのかもしれません。

反対に、今の流行やたくさんの人が注目していることが気になる人もいます。忙しそうにSNSを見たり書いたりしている若者は、おじさんから見ると(なんか大変そうですね…)と思うのですが、それも好きでやっていると思いますから、その選択もありだと思います。

どっちもありだね!と思えると、自分の周りだけではなくて人の周りにも広く世界が広がっていて、それぞれの考え方があることが分かります。人と違っても気にする必要はないですし、自分と違う考え方でも、自分の考えと同じくらい大切なものです。ひとつの選択や考えにこだわりすぎると、その分世界が狭くなって損をするかもしれませんね。  


ー2023年 10月号ー

 自己ベストの出し方

日中はまだまだ30℃を超える暑さが続いています。暑いのは間違いないのですが、やはり日差しの角度が下がってきたので、真夏のような「灼熱!」という感じは薄れたように思います。真上からの日差しは肌に刺さるというか痛いというか…そういう表現がおおげさではないですよね。

布袋中・千秋中の人は中間テストお疲れ様でした。結果は様々だったと思いますが、ちょっとテスト前の自分の気の持ち方・心構えはどうだったか…を思い出してください。集中して自己ベストが出た人、なんとなくこなすようなテスト勉強になってしまった人…これも様々だと思いますが、今月は、結果が出る前の取り組み方・集中の仕方のお話です。

「自己ベスト」という言葉は誰でも聞いたことがあると思います。言葉の意味は簡単ですが、深く掘り下げて考えたことはあまりないはず。まず、自己ベストを突破できるのは「自分」しかいません。世界中で自分だけです。もともとが自分のベストなんですから、まあ、当然ですね。そして、自己ベストは誰でも必ず出せます。100mを10秒で走るにはものすごい才能と練習が必要ですが、自分のベストタイムなら、練習すれば誰でも出せます。

では、どうすれば出せるのか?その出し方や狙い方は?一言で言うと「事前の準備」これにつきます。ことが始まる前にいろいろな可能性を考えて、あらゆる準備を整える。少しでも上手くいくように、可能性が上がるように細かなことを積み重ねる。自己ベストが出るときは、たいがい事前の準備の段階で決まっていて、本番はそれを実行するだけ…という状態になっています。

もう一つ意外と重要なのは 「ベストを出そうとする」こと。テストも何回か繰り返すと、普段の生活の一部になってしまって、今回は最高順位をとる!という意識はうすくなっているかも。まあ、だいたい毎回のテストで最高順位を狙い続けるのも疲れてしまいます。ですから、目指すのは 「自己ベストの取り組み」です。

ワークの解く回数を1回増やす、全部の漢字を書いて確認する、教科書にカラーペンを引いて覚えまくる…などなど、自分が点数につながりそうだと思うことを1つでも多く繰り返してください。今回は、一番準備をした!一番手応えを感じられた!そういうベストを目指せばよいと思います。順位や点数は、ちゃんと後からついてきますし、何よりその取り組み自体が自信になっていくはずです。


ー2023年 5月号ー

 実はそうじゃない?

今月は勉強における勘違い集。勉強する上で(こういうものだ)と思っていても、実はそうではない…となりやすいポイントを紹介します。具体的なアドバイスではありませんが、ベースの考え方として身につけると、これからの勉強の効果が変わってくるかも?

× 見直しをして計算間違いに気づく   

○ 初めから間違えないように集中して計算する

算数・数学の定番 「計算間違いがないか見直す」です。が、はっきり言うと(自分で見直しをして間違いに気づく)という可能性はものすごく低いです!それよりも、計算の途中で違和感があったり集中力が途切れかけたときに、(まてよ…)と立ち止まって手順を戻して確認する。ここまでが間違えていないことを確認してから先に進む…のように丁寧に手順を踏むと、かなり計算ミスが防げます。

× ○か×かを気にする   

○ 内容が把握できているかを気にする

英語の長文や国語の読み取り問題を解いて、答え合わせをするときの心構えです。もともと正解を目指して問題を解いているので 「○か×か?」が気になるのは当然です。でも、もう少し掘り下げると、目の前の問題に正解するために勉強をしているのでしょうか?実際には、定期テストでしっかり点数をとる!とか、入試で志望校に合格できる点数をとる!とかが、本当の目的ではないでしょうか。本番で点数につなげるためには、目の前の○×よりもその問題への理解度が重要です。「○か×か?は内容を理解しているかどうかの結果」ととらえるべきですね。

× 次々と新しい問題を解く   

○ 同じ問題を100%正解するまで解く

すべての科目に共通します。また、先生(プロの人)の勉強の仕方と、生徒の勉強の仕方の違いの一つだと感じます。特に数学などは、次々と新しい問題を解いてテストに備えたくなるのですが、それまでに解いた問題が確実にできていないと、あまり意味はありません。(なんとなく覚えている同じ問題を解いても意味がない…)と感じるようですが 「同じ問題で100%答えが再現できる」ことはとても重要です。「100%」の再現性がないと本番では成功しません。

× ノルマに追われてなんとなく勉強する   

○ 勉強の目的を意識する

先生が 「自分のための勉強だ!」と強く思ったのは、運転免許の試験でした。別に、自動車学校から宿題も出ないし、どれだけ時間をかけるかはその人次第。合格できなければ、また、別の日に試験を受けなくてはいけません。(ちゃんと90点にとどくのか?)を自分で考えながら勉強する必要があります。自分のしたいことに直結しますから、それこそ必死で勉強します。どんな勉強でも、目的を忘れず取り組むと格段に力がつきますね。さて、今の勉強の目的は?早く気づけるほど、この先が有利になりますよ。


ー2023年 1月号ー

 成長=更新=変化

新しい年の始まりは、なんだか新しいノートを使い始めるようで、これからどんな文字が残っていくか、きれいなわかりやすいノートにできるか...のような新鮮な気持ちになりますね。振り返って昨年のノートはどうでした?新たに出来るようになったこと、まだまだ道半ばで今後もがんばっていくもの...いろいろな記録があると思います。

成長してできることが増えていくと、だんだん新しい自分に更新されていきます。「アップデートされる」というとわかりやすいでしょうか。小中学生・高校生の頃は、このアップデートの連続です。去年の今頃よりも、確実に成長してできることが増えているはず。(あまり変わってないです...)という人もよくよく思い出して下さい。必ず成長した部分はあります。

アップデートされるということは、少なからず変化をともないます。そのときは「最上だ」と思ったものが、自分の変化にともなって、やっぱり違ってた...なんてことはよくあること。小学6年生がする勉強と中学3年生がする勉強は全然違いますし、部活や運動の技術や強度も1年もたてば別物になっているはずです。

そういった成長や、新しい一歩を阻むものはなんだか分かりますか。それは、今までの小さな成功やこだわりです。うまくいった経験があると、(今までこの方法でやってきた。一定の成果もあった。下手に変えて失敗するよりも、このままいこう)という思考になってしまいます。でも、その方法も、最上の方法ではないかもしれません。もっと素晴らしい方法があるかもしれない。過去のことにこだわっていると、そういうチャンスを逃してしまいます。

(どうせたいした効果はないよ...)(失敗したら無駄だからやめておこう...)と考えて、はじめの一歩が踏み出せないこともあると思います。それでも、まずやってみること。リスクや効果をごちゃごちゃ考える時間があったら、とりあえずやってみればいいんです。仮に上手くいかなくても全然大丈夫。その方法がうまくいかないことが分かったので、次は別の方法を考えればいいだけです。失敗しても思うようにいかなくても、必ず経験値はたまります。  

自分を更新させることは、勉強にとどまらず、充実した日々の生活や、更には豊かな人生につながります。失敗を恐れず新しいものを試して、常に自分を更新しつづけて下さい。そういう変化の中で、いつ考えてもどういう状況になっても、自分にとって大切なもの変わらないものが出てきます。それが芯になって、だんだん「自分」ができあがっていくと思います。どんな「自分」になっていくのか...今年も、皆さんが大きく成長できる1年になることを願っています。


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